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第21話
ナハトは、ベッドではなくソファに腰を下ろした。
「では、見せてみよ、本物のセックスとやらを。言っておくが、私が負けを認めねば、お前は勝てぬ。いいのだな?」
「望むところだ」
じゃあ、と真悟はナハトに背を向け塁に向き直った。
「真悟! 今からでも遅くないから、契約は破棄してよ!」
「塁」
真悟は答えず、ただ唇を重ねて来た。
脳裏に、初めての晩の冷たい氷のようなキスがフラッシュバックし、塁はすくんだ。
だがしかし。
温かい。
柔らかい。
「ん……、真悟……」
「塁、俺もお前が好きだよ」
キスで二人は、ヒートアップしていった。
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