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第20話
「その本物が、私に何用か」
そこで真悟は、指を鳴らして見せた。
「俺と勝負してもらう。あんたが負けを認めたら、俺の勝ちだ」
からからと笑うナハトと、やたら自信満々の真悟を交互に見て、塁はおろおろしていた。
(真悟、ったら! こいつ化け物なんだぞ。解ってるのか!?)
「面白い。どんな方法で勝負をする?」
「俺があんたより塁を悦がらせたら、俺の勝ちだ」
「真悟ッ!?」
今から塁を抱く、と真悟は彼の腰に手を回した。
「塁はいつも、嫌々ながらあんたに抱かれてる。違うか?」
「ふん。最近では悦い声で啼くようになってきたところだ」
「本物の、人間同士のエッチって奴を見せてやるよ」
「言うたな、小僧」
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