20 / 35

第20話

「その本物が、私に何用か」  そこで真悟は、指を鳴らして見せた。 「俺と勝負してもらう。あんたが負けを認めたら、俺の勝ちだ」  からからと笑うナハトと、やたら自信満々の真悟を交互に見て、塁はおろおろしていた。 (真悟、ったら! こいつ化け物なんだぞ。解ってるのか!?) 「面白い。どんな方法で勝負をする?」 「俺があんたより塁を悦がらせたら、俺の勝ちだ」 「真悟ッ!?」  今から塁を抱く、と真悟は彼の腰に手を回した。 「塁はいつも、嫌々ながらあんたに抱かれてる。違うか?」 「ふん。最近では悦い声で啼くようになってきたところだ」 「本物の、人間同士のエッチって奴を見せてやるよ」 「言うたな、小僧」

ともだちにシェアしよう!