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第三章・5
明日、優希が泊まりに来る!
大切な一夜にしようと、要人は大いに盛り上がっていた。
「明日は、何も持たずに来ていいから。歯ブラシもパジャマも、全部こっちで用意するから」
そう電話で話す要人の声は、ウキウキと弾んでいる。
「ありがとう。でも、なぜわざわざ電話で? メールとかラインでも済むだろ」
「それは……」
君の声が聞きたかったから、というのはキザかな、という要人の返事に、優希は頬を赤くした。
本当に、どうしちゃったんだ、要人は!
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