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第三章・21

 時間が経つと星座は巡り、冬のタウラスから春のレオへと変わる。  夏のスコーピオンを経て、秋のピスケスに移る。    時折流れ星がすうっとそれらの星座を横切り、その度に二人で指差して教え合う。  そんな事をしていると、ぽつりと要人が優希に向かって一言話した。 「優希。手を、握ってもいい?」  いいよ、と答えると、そっと静かに要人の手のひらが優希の手に触れた。  要人の手はいつのまにか大きく、指も太くなっており、その表面を覆う皮も硬くしっかりとした男のそれになっていた。

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