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第四章 箱【バレンタインデー、万歳!】
朝、いつもの待ち合わせ場所へ優希が向かうと、そこにはもう要人が待っていた。
優希の姿を見て取ると、軽くその場でぴょんぴょん跳ねている。
優希は、くすりと笑った。
もう待てない、早く見せたい、聞かせたい、という事があるとそうする、要人の幼い頃からの癖だ。
最近では鳴りを潜めていたが、久しぶりに彼のそんな姿を見た。
「おはよう、要人」
「おはよ、優希」
朝の挨拶もそこそこに、後ろにまわしていた両手を要人は優希の前に、さっと突き出してきた。
「はい、プレゼント!」
「これは……」
上品な赤にバラの花の型押しがしてある包み紙、金色のリボンでラッピングされた四角い箱。
確かに、どこから見ても特別な贈り物だ。
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