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第五章・7
恋人として付き合いたい、と願ってそれが成就した。
あの時は、天にも昇る心地だったっけ。
翌日には、すぐさまキスしようとしたけど……。
「あの時の優希、可愛かったな」
要人は、小さく笑った。
キスは、取り乱した優希に、思いっきり拒否されてしまったのだ。
その後もそうだ。
お泊りに誘ったけど、結局セックスはしなかったし。
恋人になってすぐは、これまでと同じように。
今まで付き合ってきた女の子たちと同じように、キスして、抱き合って、セックスしようと張り切っていたものだ。
けれど、優希が誰より大切な今は、優希に誰より好かれたい今は、逆に奥手になっている。
自然に、心も体も許しあえるようになる時期を待とう、と静かな気持ちに落ち着いている。
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