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第五章・8

「でも、アレはないよなぁ。どうしちゃったんだろう、俺」  優希の前で手にすることをためらった、あの本。  別に構わないはずだ。  優希も児童書について、なぜそれを買うのかを詳しく話してくれた。  同じように、一見エロ本だけど奥深いテーマが隠されてるんだ、と説明すればよかったんだ。 「あ~も~、俺って馬鹿~……」  夕食を摂るのも面倒で、そのままベッドでごろごろしていた要人は、いつのまにか眠ってしまっていた。

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