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第6話 夢魔たちの休日・11

「や、やだっ……! サバラ、やめろって……!」  俺の首筋に吸い付き痕を残しながら、サバラが片手で俺の股間を弄ってくる。いつも穿いている俺のパンツは伸縮性がないから、こうして脚を開いた状態で触れられても全然気持ち良くなくて、もどかしくて、……嫌なのに、もどかしくて。 「なっ、何でこんな、意地悪するんだよぉっ……!」  可愛いとか純粋とか、そんなこと言いながら俺の反応を見て楽しんでいるくせに。どうせ俺が泣いたり嫌がったりするのを見て、馬鹿にしたいだけのくせに。 「お、俺のことなんか、何とも思ってないくせにっ……」 「マカロ」  俺の首元から顔を上げて、サバラが言った。 「今の俺はお前にとって、何とも思っていない匂いをさせているか?」 「………」  匂いは、感情は、嘘をつかない。  それは俺も、もちろんサバラも分かっていることだった。 「……サバラの匂い、強くなってる」 「そうだろう。今日行った店で放っていた匂いと違うのは、当然分かるな?」 「あの時は、エロい匂いしかしなかった……」 「今はどうだ」 「甘い──」  言い終わらないうちに、サバラが俺の唇を塞いだ。 「ん、……。ん、ぁ……」  柔らかくて温かい舌と舌が触れ合い、魔力を込めれば催淫効果さえも発動する夢魔の唾液が口の中で絡み合う。 「んん、っ……」  キスって、こんな感じなんだ。 「……は、ぁ」  唇を離して俺の目を覗き込みながら、サバラが笑う。 「そのとろけたエロい顔で、自分がタチだと思ってたのか?」 「だ、だってサバラの舌、俺のことエッチな感じにさせてきてるし……」 「言っておくが催淫の魔力は使ってないぞ」 「う、うそ……」  それが何を意味しているかは、流石に馬鹿な俺にも分かった──分かってしまった。  俺、サバラとの普通のキスだけで、こんなに感じてしまってる……。 「この先は合意がないとできない。──マカロ、お前はどうしたい」 「どう、って……」 「俺としては敏感に反応してるお前の精を、口に含んで、たっぷりと味わって、……吸い上げてやりたいが。……当然お前が嫌ならできないからな」  わざと耳元でいやらしく囁かれて、俺はぎゅっと目をつぶり何度も頷いた。サバラの言葉だけで高ぶりが止まらない。パンツに押さえ付けられた俺のそれは、痛いくらいに張っている。 「して欲しいか?」 「ん、……うん、……」  俺の「合意」を得たサバラが、更に囁きながらゆっくりと俺のファスナーを下ろして行く。 「堪らない匂いがするぜ、マカロ。炎樽くん以上かもしれないな……自覚はないだろうが」 「あ、う……」 「しゃぶり尽くしてやるよ」  下ろされたファスナーと外されたボタン。そこから飛び出した俺の屹立に、体をずらしたサバラが、……真上から唇を被せて…… 「あぁっ……あっ、やっ……!」  それは未だかつて経験したことのない、生まれて初めての「快楽」だった。サバラの口に根元まで入ってしまった俺のそれが、中で激しく舐め回されて、音を立ててしゃぶられて、……熱くて気持ち良くて、ソファから腰が浮いてしまう。 「んやっ、あぁ……!」  口淫がこんなに気持ちいいことも知らずに、よく夢魔を名乗っていられたものだ。俺はただ腹を満たすために何気なく口に含んでいたのに、される側はこんなに気持ち良くて余裕が無くなってしまうなんて──恥ずかしい声が止まらない。

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