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告白2
次の日、目の前には何時もの教室の風景が広がっていた。いつもの騒がしい教室。そして、いつもの圭吾。窓際の一番後ろの自分の席に着くと前の席の圭吾が振り返った。
「おはよ、俊哉。」
俺は圭吾の笑顔に安堵すると同時に胸騒ぎがした。昨日は何事もなく二人で下校した。その時にした会話はなく、不安に感じていた。昨日の圭吾は何だったのだろうと思ってしまう。けれど、現実で圭吾の軽蔑した顔が脳内から離れずにいた。
「おはよう…。」
目をそらして挨拶を返す。自然な態度で接しようとしたが、無意識に行動に出てしまっていた。座ると同時にポケットの中の携帯電話が振動して、とっさに手に取った。見ると圭吾からのメールだった。圭吾の方を見ると、圭吾の手には携帯。メールを開くと絵文字がなく、シンプルな一文――。
『放課後、教室で』
圭吾を見ると、笑顔を浮かべていた。けど、目が笑っていない。体の芯が冷めるような感覚に陥る。圭吾の眼が二度と元には戻れない事を物語っていた。
「どうした?」
「なんでもないよ…。」
圭吾が白々しく聞いてきたので、無理矢理に笑みを作って誤魔化した。
こんな崩れかけた関係を崩したくなくて必死な俺は馬鹿なんだと思う。けど、俺は圭吾に捨てられたくない。だから、俺はこの友達でもない恋人でもない関係を受け入れるんだと思う。
時は刻々と過ぎていった。嫌いな英語もボンヤリしているうちに終わって、魂が抜けた人形になったような気分で大半を過ごした。放課後近くになると景色は次第に赤く染まり、昨日と同じような教室になった。
「これで良かったのか…?」
誰もいない教室で俺は呟く。
俺は圭吾に期待を未だに抱いていた。抱かない方がいいとは分かっているのだけれど、好きな人に思いを告げたのは小学校が最後で隠してばかりいたから、今の現状が信じられない。本来ならば、関係を断ち切られても仕方ないはずだ。ガラガラと教室の戸が開き、そちらを見ると制服姿の圭吾がいた。部活は体育館のワックス掛けの関係でミーティングだけと事前に聞いていた。
「……」
圭吾は無言のまま、俺の前までやってきた。
その表情は無表情で恐怖を感じながら圭吾の様子を伺っていると、突然胸ぐらを掴まれた。
突然の事に一瞬、呼吸が出来なかった。幸い身長差がそこまでないため、そこまで苦痛には感じずにいられた。
「何でも言うこと聞くんだよな?」
俺はその言葉に小さく頷いた。すると胸ぐらを放し、圭吾は俺を強引に引っ張った。特別棟の空き教室に連れ込むと俺を教室の真ん中に突き飛ばした。しばらく使われていないらしく、埃が空中に舞うのがわかった。紺のブレザーに埃が付着しているのが見えた。唖然としていると圭吾の背後から鍵を閉める音が聞こえた。
「な、に…?」
俺は不安になりながら圭吾を見上げた。圭吾は俺を見下すように見つめていた。
「じゃあ、証明してくれないか?」
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