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第10話

 葵が奴らをおびき出すまでもなく、放課後に体育倉庫へ来い、と呼び出しを受けた。 「きっと、売られるんだ。5千円で」 「1万円に値上げして、二人で山分けしないか?」 「ふざけるなよ! こんな時に!」 「悪い悪い」  だが、葵は一人ではない。  綜大が一緒だ。 (神様、どうかお慈悲を!) (大船に乗ったつもりでいろ)  体育倉庫に入った葵は、絶望した。  7人。  全部で7人もいるのだ。  これでは到底勝ち目はない。

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