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第9話
犯されて感じるなんて、ありえない。
葵は自身を必死で否定したが、体は勝手に反応している。
「あ、ダメ! 出るッ!」
ほとんど同時に、綜大も葵の内に解き放った。
「あぁあッ!」
はぁはぁと息を荒げ、体を引き攣らせて動けない葵から、ようやく綜大が引き抜かれた。
収まりきれない精が、ごぷりと流れ出る。
「悦かったぜ」
「……」
返事のできない葵に、綜大はブレザーを掛けると立ち上がった。
「今日の放課後、そいつらに会わせろ」
それだけ言うと、一人で放送室から出て行った。
(これで綜大が負けたら、お終いだな)
その時は、死のう。
命を生み出す行為の後に、葵は死について考えていた。
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