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第12話

「ぐぁッ! げホッ。や、やめ……ッ!」 「悪いな。やめねえよ」  周囲は綜大を引きはがそうと肩や腰に手をかけていたが、彼はびくともしない。  男の切れ切れの声はやがて静まり、もがいていた手足も動かなくなった。 「どっこいしょ」  綜大が離れ、男の姿がさらされた。  瞼は腫れ、頬は歪み、鼻血にまみれ、口から血を流している。  鼻筋が妙に歪んでいるところをみると、骨が折れたのだろう。歯も数本折れているかもしれない。  綜大は仕上げに、ぴくりとも動かなくなった男の顔を土足で踏みにじった。 「次に、こうなりたい奴は?」  ドスの効いた声に、一同は震え上がった。  けが人を置いて、次々に逃げ出していった。

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