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第13話
「葵も一発くらい殴っとく?」
「冗談だろ」
早く病院に、との葵の言葉に、綜大は手をひらひらさせた。
「30分もすりゃあ、自分で歩ける」
それより、と綜大はまた一人で体育倉庫から出て行ってしまう。
「ちょっと運動して腹が減ったな。お好み焼きでも奢ってくれよ」
どこまでも食えない綜大の態度だ。
良い奴なのか悪い奴なのか、解らない。
それでもお礼にお好み焼きくらいはご馳走しよう、と葵も血の匂いのする体育倉庫から出て行った。
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