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第2話
「ドレアグラ。いいかげんそうやって、湯水のように酒を浴びるのはやめないかね!」
いらいらしたヴアルが、もう我慢ならんといった口調で隣に座る巨漢をはたいた。
惜しみなく酒蔵から出されてくる美酒。
そのほとんどがドレアグラの喉を潤しているのだ。
年代物のビンテージを、味わいもせずガブガブ飲み干す無神経さに腹が立ったのだ。
いい気分で酔っていたドレアグラは、いきなり頭を叩かれて口を尖らせた。
「ほかの皆が、やたらと飲むのが遅いだけだ。これが、俺のペースなんだからな」
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