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第15話

「その気持ちだけで、充分だ。リディも、きっとそう思ってる」 「……ルカス?」  だから、もういいんだ。  ティアーネ神の12闘士であるお前が、仲間を裏切ってまでバルカローラの七騎士である俺に尽くす必要はないんだ。    こんな言葉が続くのかと、一瞬にして感じたアロイヴだったが、そうは問屋が卸さなかった。 「ただ、リディはあまりにも早く命を散らした。そう、恋もすることなく」  いや、初恋はしてたんだよ、とルカスはやたら饒舌になってきた。 「リディの初恋の相手はな、アロイヴ。お前だ。どうだ、可愛らしいだろう!」  兄の友人に恋をする、なんていかにも乙女チックだよなぁ、などとうっとりとした声で話す。  そして突然、歌い始めた。

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