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第38話

 ルカスとは、特に呼吸を合わせて動いているわけではない。  それぞれが、自分勝手に腰をやっているだけだ。  だが、時折ぴったりと息が合う時がある。 「あぁあッ! ぅあ、あぁッ。んッ、あぁ、は、あぁ。あぁああッ!」  アロイヴの甘い悲鳴が響く。  ルカスとエル、二人の愛を一身に受け止め、その悦びに啼くアロイヴの声。  その声を合図にするかのように、二人の男もまた同時に吐き出した。  情を、欲を、この世に生きる歓びというものを心から味わった。  極北の地・ルドルヤルトの夜は寒く、冷たかったが、三人の間だけは熱かった。  その命が燃え尽きてしまうほどに、熱かった。

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