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「このシーツも新品なんだけど、初夜の記念にお前の歯形を残しておくのも悪くないか」
連続する絶頂にクラクラしながらも岬はむっとした。
尻奥を意地悪く小突く志摩に無謀にも言い返そうとした。
「ひッ……?」
急に志摩が体を倒して背中にのしかかり、腸壁のあらぬところを引っ掻かれて文句は瞬時に引っ込んだ。
「やっぱり。射精してる」
脇腹から正面へ回り込んできた手に白濁を弾いたばかりのペニスをやんわり握られた。
「やッ……さ、さわんな……いったばっかで痛ぇ……」
「もっと射精 して」
「あッ……あのなぁ……!」
「今夜の内にいっぱい射精して、下半身、スッキリさせておいたらいい。もしも式典の最中に学級委員長が勃起したりなんかしたら、クラスメートに示しがつかない」
言い返したいのに、岬は、言い返すことができなかった。
両腕をとられたかと思うと背後へ引っ張り上げられ、膝立ちになり、上半身が空中に浮いたところで荒々しく貫かれた。
「うわ、ぁっ……ぁっ、ぁっ、これっ、やめっ、っ……あぁぁあっ……!」
五回ほど勢い任せに最奥を突いた後、志摩は岬を我が身へ引き寄せた。
「やめない」
ピアスが光る方は避け、右の耳たぶに吸いつき、ふくよかな質感を歯列で吟味しながら胸の突起を両方共にくすぐった。
「セン、セ、ェ……っ……ん……っ」
片方の手が股間に差し込まれて岬は首を竦める。
吐精しても尚、浅ましげに屹立したままのペニスをいとおしげに撫でられた。
広げた掌で根元の膨らみまで揉み転がされる。
その下で密やかに育ちきったクリトリスを軽やかな指遣いで爪弾かれた。
「はぅ……っ……っ……っ、だめ、せんせっ……っ……!!」
後孔奥にまで熱源が沈み切った状態で、くぱぁ……と、濡れそぼつ蜜孔を拡げられた。
蠕動するナカに指を捻じ込まれる。
際どい恍惚に襲われて岬は涙した。
肉奥で指とペニスが同時にぞんざいに蠢くようになると、絶頂が持続するようになり、電流でも流されたみたいに過度に背中が引き攣った。
「ゃ……っ……ぁ……、……、……っ」
「うん?」
「こ……こんなん……おかしくなる……」
「うん。言っただろ。お前のこと壊すって」
深奥で閉ざされていた性感帯を軽々と暴いてみせ、嗜虐的に刺激を送り込み、巣穴に誘い込んだ最愛の獲物に志摩は約束した。
「壊して。蘇生させてやるから。何回だって」
酷だろうと踏み続けていたブレーキは今し方放棄した。
「抑えないで、この血の本能のまま、岬のこと愛し尽くしたい」
瀕死の獣さながらに微痙攣を繰り返していた岬は、新たな涙で吊り目を満たし、背中に寄り添う志摩を仰ぎ見た。
「……卒業式、立ったり座ったりできなくなったらどーすんだよ、ばかきょーし……」
志摩は思わず笑った。
こんなときでもふてぶてしげに自分を睨んでくる、でも今にも大粒の涙を零しそうな双眸に尽きない愛情を滾々 と湧き上がらせた。
「学校は卒業しても反抗期は一生卒業しなくていいよ、反抗期ちゃん」
淫魔の本能が覚醒したような心地でいた彼は笑いながら岬にキスを。
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