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因果は巡るよどこまでも

140字SS お題『見逃すつもりもないけれど』  いた! 今日もかわいいDKの背後でよからぬことをやっている。見逃すつもりもないけれど、突き出すつもりもない。  にやける顔を隠しつつ、男の背後を取る。まずは手の甲で肉付きを確認。うん、いい尻だ。DKで興奮した前の硬さもいい。  俺は震え出した男のジッパーの間へ、手を差し入れた。 (診断メーカー「140文字SSのお題」 https://shindanmaker.com/587150 より) ------------------------------  退屈な朝の出勤電車は今日もそこそこ混んでいる。都会の缶詰のような状態にならないのは救いか。ただ一駅一駅の間隔が長いのは田舎の証だ。窓の外には住宅だけでなく、田んぼも見えたりする。  気がついたのはいつだろう。  男子高校生のようすがおかしい。何かに耐えているかのように顔を赤らめ、唇を引き結んでいる。その唇が徐々に開かれ、目が閉ざされた。かすかにまなじりに光るものがある。  まるでセックスしているようだ。  そう思ったとき、少年の背後の男に目が行った。  薄ら笑いを浮かべ、少年にピタリと身を寄せている。  ああ、痴漢か。  少年の反応からすると、結構えげつない行為に及んでいるようだ。  位置を少し変えて、男の顔を見た。  脂下がっているのはいただけないが、俺が想像する痴漢よりはずっと若くてイケメンだ。スーツを着ているところを見ると会社員の朝の運動か?  少年が顔を引きつらせて、何か声を漏らしたのがわかった。次に絶望の表情を浮かべたのも。それに対し男は満足そうに愉悦の表情を浮かべ、体を震わせている。  おもしろい。  俺に少年趣味はないが、スーツ男は好物だ。  逃げられない電車の中、他人の目が向くかもしれない中で行為に及ぶとは、さぞ興奮するのだろう。  いたいけな青少年にそういうことをするなら、自分がされる覚悟もあるよね。  俺はその男をマークすることにした。  最初の二日で乗車区間を把握した。その後の一週間で乗る電車と車両を把握した。  狙う少年はだいたい決まっている。曜日は決まっていない。その日の気分らしい。  事に及ぶのは、少年を追い詰めた右側ドアが開かない区間。右側ドアが開くと降りて逃げる。  必要なことはこのくらいか?  その朝、俺はグレーのスーツを着た。男からは無害なモブに見えるように。意思のないその他大勢だ。ビジネスバッグにはショルダーベルトを取り付け肩にかける。  さあ、出勤だ。  早めについたホームで男を捜す。  いた。  紺色ブレザーの少年の後ろに並んでいる。あれは確か四駅くらい先の私立高校の制服だ。狙い目の学校というわけか。  ホームに電車が滑り込んできた。俺は行動を開始した。  男は慣れたものだった。少年を二駅開かないドア側へ追い込み、やんわり体で押さえると、さっそくブレザーの下の胸と股間に手を差し入れてる。  少年は嫌がって身をよじるが、男には誘っているようにしか見えてないだろう。  じゃ、こっちも行かせてもらいましょうか。今日は主役に仕立ててあげるよ。  カーブでよろけた振りをして、男の後ろにつく。バッグで手を隠しながら、手の甲で尻を確かめる。  おお、いい弾力だ。無駄がない。  男はびくりとしたが、まだ少年に意識も手も向いている。  こぼれそうになる笑いをかみ殺して、右手で男の尻肉を掴んだ。  ビクンと男の体が跳ねた。それを上着の裾から忍び込ませた左腕を巻き付けて押さえる。指先はもちろん乳首だ。ワイシャツの上からカリカリと掻いてやると、面白いように硬く尖った。  相当に一人遊びしてきたのかな。  尻肉から割れ目に指を押し込み、後孔のあたりを指先で弄りながら肉を揉んでやる。男の腰が揺れだす。息が上がり始め、首筋が紅潮してきた。  興奮してきたね。  少年が男の異常に気がついたようだ。手の動きが止まったからだろう。肩越しに俺と目が合った。  少年は一瞬で状況を察したようだ、立場が入れ替わったことに。  俺は少年がこの場から逃げ出すと思っていた。  ところが少年はにたりと笑った。  一駅めに着いたところで、男を少年のいた隅に追い込んだ。  尻から会陰、乳首を執拗に責める俺を、少年は隠すようにドアに寄りかかって読書を始める。  俺は遠慮なく、右手を男のスラックスの前に移し、ファスナーを下ろした。ワイシャツの前裾も引き出してしまおう。  男が体をうごめかして逃げようとするので、思いきり乳首を抓り上げる。 「んっ」  抑えた声が可愛いじゃないか。耳に心地いい。  俺はすっかり硬くなった自分の股間を、男の尻の割れ目にこすりつける。腰のあたりを自分の背に回したビジネスバッグで隠しながら。  手に触れた男の下着は張りつめてぐっしょり濡れていた。  このままでは気の毒だ。抜いてやらないと。  前の開きの中へ手を差し入れる。  すっかり熱を持った雄は長さも太さもなかなかのもんだ。自慢の逸物だろうな。外へ出して自由にさせてやろう。  ぬるぬるの鈴口をくりくりと撫でてやりながら、同じように乳首もくりくりと捻ってやる。ビクビクと震える雄をゆっくりと扱く。  また駅に止まった。背後で人々が出入りするざわざわとした気配がある。そのせいで男の気がそれた。またあがこうと腰を捻る。  駄目だよ、気を散らしちゃ。それに雄丸出しで人に助けを求められるのかい?  意識をカリカリと乳首を掻くことで引き戻す。 「や、め……て……」  微かな声は震えていた。喧噪の中では俺と少年にしか聞こえなかっただろう。  俺は耳の後ろでふふっと笑い、再び男を扱きだした。少年の目は笑みの形に弓なりだった。  さあ、声を上げてみてくれよ。どんな風に啼くか、ぜひ聞きたい。  俺は尖った乳首にチクチクと爪を立てながら、一気に扱き上げ始めた。  手の中で硬度が一気に増す。  男はついに、あっあっと声を漏らし始めた。脚もガクガクしてきたようだ。  お行儀が悪いので、胸を抓って、息をのませる。が、その効果もわずかの間のこと。  はっはっと切迫した息づかいに限界が来るのがわかった。  真っ赤に染まった耳に熱く吹き込む。 「イけ」  扱く速度を上げ、思いきり胸を抓ると、男が身を仰け反らせて、びくんびくんと全身と雄を震わせた。  手についている白濁を、男のワイシャツになすりつける。  男の肩が震えていた。すすり泣いているらしい。  俺は笑った。  少年も本の陰で低く笑っているようだ。  閉まりっぱなしだったドアが左右に開いた。俺と少年は即座に降りる。  乗り降りする人の影で、男が隅にしゃがみ込むのがちらっと見えた。  いい思いをさせてやったのに、不満だったのだろうか?  ドアが閉まり電車は走り出した。 「あの……」  少年の声だ。俺は唇の前に人差し指を立てる。少年は頷き、頭を下げると身を翻した。  俺はトイレの個室に直行した。  なんせ男をイかせてやっただけで、俺自身の熱は発散できてない。  俺は犯した罪の一部始終を思い出しながら、息を荒くしながら扱いた。  こわばった男の体、震える声、イく時の痙攣。  人を支配した背徳感、見られるかもしれないギリギリのスリル。  本当は誰かに気づかれていたかもしれない。そう思うだけで得も言われぬ興奮が押し寄せる。 「んっ」  どくどくと白濁がとんだ。最高だ。  きちんと便器を拭いて、と。  さて、家に帰るか。  今日はこのお楽しみのためだけに、有給休暇を取ってドブネズミスーツを着たのだ。  個室のドアを開けてはっとした。  そこに、にやにや笑う男が一人が立っていたのだ。 「駄目じゃないですか、あんな面白そうなこと、何の相談もなしに」  俺は舌打ちをした。後輩の榊原だ。 「お前、仕事は?」 「有休の連絡入れました。あんなの見せつけられちゃ、仕事する気になりませんよ」  俺はビジネスバッグを肩にかけ直す。 「盛ってんじゃねぇよ」  グレーのスーツの袖口を引っ張られる。 「行きましょう、信田(しのだ)さん」  どこへかって?  決まってる。  ラブホだ。 おしまい

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