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第16話

「静月……、手を解いて……」 「なんで?」 「なんでって……」 そりゃ、静月を引き寄せ抱き着きたいからだろ? って……え? 今、俺何思った? 静月に抱き着きたいだなんて……、いくら欲に侵されたとしても思っていいことと、悪いことがある! よりにもよって静月に抱き着きたいだなんて……、静月は男だし……、俺頭が欲に浮かされてどうにかなってしまったらしい……。 「解いて欲しいか?」 「い……いや……そのままでいい……」 俺何考えてたんだ……、静月を引き寄せ抱き着きたいと一瞬でも思った自分が恥ずかしいわ! 「なんだ……、俺に抱き着きたいのかと?」 「ぶ……ぶわっかぁぁぁぁぁ、そんなことあるわけねーだろ!!!!」 ばれてらー。 だめだ、ホントこいつ感がいいわ! てか、俺の心の声を聞き取る超能力者か? 気が付くと静月は微動だせず、ずっと俺を見下ろしていた。 その目は悪戯だけど明らかに欲望ギラギラ……いや、イケメンならではのキラキラお目々をして、俺の戸惑う視線を真剣に受け止めていた。 「何考えてる葵?」 「いや……、その……、これから何すんのかなー……なんて?」 「戸惑うのも無理ないか、お前男とヤルの初めてだろう?」 「あ……、あたり前だろ!お前と一緒にすんな!」 て、ヤルのか俺……男と……いや無理だろ! む~り~、無理~~~ぃ!!! 「うーん、そそるな……、その可愛い唇から啼く声を聴けるかと思うと興奮するよ」 静月はそう言うとゆっくり俺の左足を抱え上げて、その膝頭にキスを落とした。 え……と……。 その……何だか……。 男にキスされたのは初めてで、だけど相手が静月だからかとても官能的で、思わず見惚れてしまったじゃないか……。 それから事もあろうに静月は俺の上に覆いかぶさったかと思うと、俺の乳首を舐めた……、それも舌先で優しく転がしては軽く吸いつき、れろっと嘗め回す……。 う……ぁ……! もう身体の中からじわじわと発散されるだろう俺の熱が、皮膚全体に纏わりついて静月の指先がどこを触れても感じてしまうという、どうしようもない毒に侵され始めていた……。 男の俺が男に乳首を舐められて喘ぐとかあり得ないんだけど! ぁ……あ……! 思わず漏れた言葉を遮るように腕で隠しても、我慢しようにも次から次へと快楽が湧きあがってくる……。 静月はその腕を掴んで、俺の……恐らく羞恥と欲に浮かされて真っ赤であろう顔から剥がした。 だけど意外にも静月は俺の目を見つめたまま何も言わず、ゆっくりと額をくっつけて来たと思ったら俺の唇を吸い上げた。 思わず答えてしまう俺は夢中になって静月の舌を吸い上げる。 静月は満足そうに微笑んで少し顔を上げると、何か液体のボトルを取り出しその中身を俺の後蕾にドロリと垂らした。 ひっ……、つ……冷たい! 「なんだよ?冷たいじゃねーか!」 と、文句を言うも、聞く耳を持ってない静月はその液体を自分のそそり立つ大きなモノにも垂らした……。 勃ってるよね……? 俺と戯れて……。 こいつやっぱゲイなんだな……。 「葵、何考えてる……」 「あー、いや……その……お前の勃ってる息子ちゃん見てさ……やっぱお前はゲイなんだなと……」 「だから何?」 「よく俺で勃つよなと……」 静月はフッと笑った。 そして次の瞬間、指が再び俺の中へ入ってきた。 「うわっ……!!!」 嫌な予感がする……。 「ま……、まて、まて、まて!」 驚いて顔を上げたら、額にデコピンが一発入った。 「痛ってーーーーーっ!」 「十分慣らしたから大丈夫だろ」 「いやいやいや、そういう問題じゃ……」 「なに、早く欲をなんとかして欲しいんだろ?葵ギリな顔してる」 可笑しそうに静月は俺を見下ろしながら笑った。 クソッ……、返す言葉が見つからず動揺していたら、足を持ち上げられて羞恥全開とんでもない恰好になってしまった。 「おい!!!」 「ごちゃごちゃうるさいお前」 「ややややや、それは……ちと……マズいだろ……」 俺の大事な大事な……ソコにさ! 挿れる気だよ、これ……マジか!!!

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