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第63話

「……ん」 私は……意識をなくしたのか? 一度目が終わり…続けざまに2度目に突入し…抵抗と静止も出来ず……海堂のされるまま……。 海堂がどれだけ優しく気を遣ってくれたとしても、初めての経験に1度目は痛かったし本当に叫び出したい声を抑え必死に耐えた……けど、2度目は…海堂から与えられる快感に喘ぎ……あんなに感じてしまうとは……。 たった2度目で感じて淫れた自分が恥ずかしい。 隣には、海堂が私を抱きしめるように寝てた。 海堂の寝顔を見るのも2度目か。 同じ年代の生徒の中でも体も大きく大人っぽいが、まだ若さの残る寝顔はあどけなく感じた。 こうしてられない! ゆっくりと寝てる場合じゃないと気が付き、私の胸の前の腕をそぉっと退けた。 「ん……芳村…好き…だ」 一瞬、起きた!とドキドキ…し、ジッと固まり様子を伺ってると寝言を言い眠ったままの海堂にホッと胸を撫で下ろした。 そして体を離し、そぉっと起こさないように上体を起こした。 「うっ…いっ…」 体の節々と腰の痛さに思わず声が出そうになり口を手で塞ぐ。 そしてゆっくり.ゆっくりベットから何とか立ち上がった。 床に落ちてた下着とスラックスを取ろうと少し動いた時に、ツーっと後孔から内腿に垂れてきた。 何だろう? 内腿を伝うものを触ると……海堂が放った白濁だった 焦り、お尻に力を入れ垂れてこないようにし、ゆっくりとした動作でトイレに歩き後始末をした。 自分では指を入れるのを戸惑い迷った末に便器に座りお腹に力を入れ多少でも白濁を流すのが精一杯だった トイレから出て海堂の様子を伺い寝てる事を確認して痛む体で何とか下着とスラックスを履き出て行こうとしたが、テーブルの上にある薬.冷えピタを見て……仕方ない。 本当は一刻も早くここから立ち去りたかった。 ぐっすりと眠る海堂を眺め、来た時には赤く熱っぽい顔もそれ程でも無くなり荒くゼェゼェ…してた息も今はスースー…と寝息を立ててた。 「熱は出し切ったのか⁉︎」 あんな辛そうだったのに……良くあんな風に動けたもんだ。 額に手をやり熱を確認すると……まだ少しあるか。 来た時程ではないが、少し熱はあるようだった。 冷えピタを額に貼り、薬を飲ませようと考え…海堂の口に入れスポーツドリンクを口に含み海堂の口に流し込む。 ゴク…ゴク…。 無意識に薬を飲んだようだ。 眠ったままの海堂にホッとし、そぉっと布団を掛けた時にベット脇の壁に体育祭の時に撮った私と海堂.成宮.桐生との写真が飾ってあった。 「……いつから」 その写真を見て、海堂がいつから自分の事を恋愛対象として見てたのか?気になった。 ……海堂が起きる前には、ここを出ないと…。 そのままゆっくり.ゆっくり部屋を出た。 誰も居ない寮は静まり返り、ゆっくり.ゆっくり歩く私の足音だけが聞こえる。 玄関の所で寮母さんに海堂の事をお願いしようと声を掛けるが、まだ買出しから帰ってないようだった。 あの様子なら、今日は起きないだろう。 そっとしておく事に決め寮の玄関を出て、校舎に向かい歩いて行った。 校舎に着き直ぐに職員用トイレに向かい個室に入りウォシュレットを使い、そして一刻も早く休みたいと教務室に向かった。 教務室まで長く感じる廊下は授業中と言う事もあり、誰も居なかった。 そして教務室に入りソファに横になった。 誰にも見られず来れて良かった。 あの~! 体力バカ‼︎ 1度目は優しくしてくれたが、2度は手加減無しでガンガン…好き勝手しやがって~‼︎ 海堂1人の責任じゃない…か。 自分も喘ぎ快感に溺れ強請った様な気もする……。 「手慣れてた…な」 男同士のセックスに慣れてた海堂。 ここは男子校だし実際には見た事がないが、キスしてたりそう言う行為が行われてる喘ぎ声に遭遇した事もある。 海堂も屋上や視聴覚室.人が居ないトイレなんかを使いそう言う事をしてるのは、その時の2人の雰囲気で何となく解る。 それに寮でも……ローションが使い易い所に置いてあるのが何よりの証拠だろう。 そんな海堂が私を……好きだと言う⁉︎ あんな熱烈な告白されたら……抵抗してた体から力が抜けてしまった。 好きだ.好きだ.好きだ…と、何度もうわ言の様に話し……たぶん夢だと言ってたから混濁した意識の中でのうわ言だったんだろう。 それが逆に……本音に聞こえた。 切ない叫びに拒否出来ず……1度だけと覚悟を決め受け止めてしまった。 最後までするつもりはなく扱き合いで終わるつもりだったのが……。 これまでも卒業間際や卒業式後に告白してきた生徒は何人か居たが、皆んな丁寧に断るとあっさり引きやはり単なる憧れを誤解してたのだろうと納得した。 もしかして…海堂も憧れと勘違いしてるのか? それにしては……あの熱烈な告白は…嘘には思えない 私は海堂をどう思ってるんだろう。 家が極道だと言う事で辛い思いをしてきたのは何となく解る。 中学の時は相当悪かったようだが、私の知る海堂はやんちゃで悪戯や直ぐに熱くなり負けず嫌いだが話せば解る真っ直ぐな所もある。 年の割には強面で誤解されてるが、笑うとくしゃっとなり悪戯っ子みたいな顔になるのが可愛いと思う。 体育祭の時に <信頼できる人> のお題に私を選んでくれた事も嬉しかった。 海堂から信頼され懐かれてるのも解ってたし可愛い生徒だと思ってた。 成宮.桐生以外に心を許してない海堂が私には心を許してくれてるのも嬉しかった。 夏休みに…キスされ…好きだと……それから少なからず意識してた。 私は海堂を……。 解らない! 好きか?嫌いか?聞かれたら…好きだ。 でも……生徒として?懐き可愛いと思ってるだけ? 自分の気持ちが解らない。 今の状況で頭の中を整理できない! SHRまでまだ時間がある……今は少し体を休めよう。 今は何も考えたくない。 海堂の情熱と推しの強さに流されそうな……。 どうか海堂が夢だと思い込んで欲しい! 何も気付かずに…。 そう、あれは夢だったんだ。

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