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第64話

SHRを終え、生徒達は教室を出て行く。 私も教室を出ようと教卓から下りた時に「芳村」と、声を掛け近寄って来たのは桐生と成宮だった。 海堂の事だな。 少し休んだお陰でどうにか動けるが、まだ節々と後孔の違和感があった。 気付かれないようにしなければ……。 「芳村、龍臣どうだった?」 「やっぱ風邪か?」 「…熱が結構出てたし息遣いも荒かったから…たぶん風邪だろうな」 「やっぱ?ここ何日か咳してたからな」 「そうか。気が緩んだのかもな」 「薬、飲んだ?」 「…私が居た時は1度も起きなかった。様子を見てたが、起きないから帰り際に無理矢理に口に薬入れて何とか飲ませたし冷えピタも貼ってきたから、大丈夫だと思う」 「この後、様子見に行こうか?と思ったけど。寝てんなら止めた方が良いか?」 「龍臣の事だ、明日には元気に登校するさ」 「そうだな。息遣いは荒く辛そうだけど、ぐっすり寝てたし、たぶん朝まで起きないと思う。それに見舞いに行って、今度はお前達が風邪移ったら大変だからな公募推薦受験が終わったとしても一応受験生だから」 「そっか~。じゃあ、LINEや電話もしない方が良いな」 「だな、寝てたら悪いし、大体起きねぇ~ならしても仕方ねぇ~」 「友達思いだな」 「そんなんじゃねぇ~よ」 「別に、普通だろ」 褒めてやると照れてぶっきらぼうな事を言う2人が可愛いと思った。 そう思った2人と海堂とどう違うのか?と考える。 「じゃあ、帰るわ」 「じゃあな、芳村」 「気を付けて帰れよ」 何も気付いてない様子の2人を見てホッとした。 何とか誤魔化せたようだ。 教室を出て行く2人を見送り、私も教室を出た。 今日は早く家に帰ろう。 そしてシャワー浴びて早く寝よう。 現実逃避してると自分でも思うが、今は何も考えられなかった。 俺は夜中に目が覚めた。 どれだけ寝たんだろう。 目が覚めた時には、あれ程辛かった咳も出ず熱も下がってるようだ。 ぐっすり寝たせいか? 熱が下がったせいなのか? 頭もすっきりし怠かった体も軽く感じた。 「すっげぇ~、良い夢見たなぁ~」 熱で浮かされ現実には起こり得ないが、やけにリアルな夢だった。 芳村の前では言えないありったけの想いを口にした。 あのままずっと夢を見ていたかった。 あんなリアルな夢はなかなか見られない。 残念に思いながら、汗を掻いた体が気になった。 「汗くせぇ~」 シャワー浴びてすっきりするか。 軽くなった体で布団から出ようとした時に、下半身は何も身に着けてなかった。 「ん⁉︎……やべぇ! 芳村とのリアルなセックスの夢見たからな」 芳村とヤッてる夢を見て、てっきり自分で脱ぎ自慰をしたと思った。 「だから、やけにリアルだと思ったのか~」 体も軽くなったが腰も軽いわけだ。 「すっげぇ~、気持ち良かったもんな」 俺のモノは白濁を放った形跡があった。 「早くシャワー浴びねぇ~と」 スエットと下着はベット下に落ちてたが、シャワー浴びるからと、そのままベットを出た。 ふとテーブルを見ると薬.冷えピタ.スポーツドリンクが数本.ゼリーが置いてあった。 「祐一達か?」 祐一達が様子を見に来たと思った。 「気が効くじゃん」 スポーツドリンクを開けグビグビグビ…半分ぐらい一気飲みした。 凄く喉が渇いてた。 体に染み込むスポーツドリンクは凄く美味しかった。 「あいつらに自慰してる所見られてないよな?」 それと、あいつらの前で芳村への想いを口走ったような気がする。 恥ずかしいが、意識のない中でした事だと見られて居たとしても開き直る事にした。 ザァザァザァ…… 熱いシャワー浴び体もさっぱりし、あの熱が嘘のように体調が戻った。 「それにしても……芳村の夢を見て自慰するなんてな溜まってたのか」 中坊じゃあるまいし! 自分の性欲の強さに自嘲する。 シャワー浴び新しいスエットと下着に着替え部屋に行く。 テーブルの薬を口に入れ残りのスポーツドリンクで一気に流し込み、ベットが乱れ悲惨な事になってたのに気が付き、面倒だと思いながらも体も綺麗になり乱れたシーツでは寝たくないと代える事にした。 シーツには白濁が所々に飛び散ってた。 「ゲッ! 」 無意識のうちにした自慰にシーツにまで飛ばしたのか? あの熱で浮かされた中で、自分のモノだけは元気で呆れた。 シーツは捨てる事にし、新しいシーツの上で横になった。 「良い夢だったな」 そしてまた静かに眠りに就いた。

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