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第二章・23

「やれやれ、もう結構です。お好きなように」 「そのおざなりな返事はなんだ。男なら、潔く認めるんだ!」  言葉が終わるか終らないかのところで、昴は、ぐい、と肩を掴まれた。  そして、唇で塞がれ無理矢理黙らされた。 「あき、むむ……」 「お静かに」  一つに重なる二人の影を、月が明るく照らしていた。  月だけが、二人を見ていた。

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