58 / 193

第二章・22

「僕は、暁斗の事が……好きだ、と思う。多分……」 「ならば、私も昴様の事が好きなのでしょう。多分」  雲が晴れた。  南中近くに差し掛かった明るい月が、煌々と二人を照らす。  うっとりと、二人もたれ合っていた。  互いの肩のぬくもりを、味わっていた。    途端。 「暁斗! 暁斗は、いつから僕の事が好きなんだ!?」 「はい?」 「どっちが先に、好きになったんだろう!? お前だな、暁斗。暁斗が、僕の事を先に好きになったんだな? そうだろう!?」  いやそれは、と暁斗は口ごもった。 「先に誘ってきたのは、昴様の方でしょう」 「違う! 暁斗が僕の事を好きだから、確かめに来ただけだ!」

ともだちにシェアしよう!