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第二章・22
「僕は、暁斗の事が……好きだ、と思う。多分……」
「ならば、私も昴様の事が好きなのでしょう。多分」
雲が晴れた。
南中近くに差し掛かった明るい月が、煌々と二人を照らす。
うっとりと、二人もたれ合っていた。
互いの肩のぬくもりを、味わっていた。
途端。
「暁斗! 暁斗は、いつから僕の事が好きなんだ!?」
「はい?」
「どっちが先に、好きになったんだろう!? お前だな、暁斗。暁斗が、僕の事を先に好きになったんだな? そうだろう!?」
いやそれは、と暁斗は口ごもった。
「先に誘ってきたのは、昴様の方でしょう」
「違う! 暁斗が僕の事を好きだから、確かめに来ただけだ!」
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