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第四章・19

 昴は一度絶叫した後、必死でこらえて唇を噛んだ。  首を振り、髪を散らし、怒涛のように押し寄せてくる悦楽の波に耐えた。  耐えても耐えても、情け容赦なく責め立ててくる暁斗の精。  たっぷりと深く、一度途切れ、また注がれる。 「……ッく。んぅう……ッ。んッ、ンッ、んぅう……ッ!」  あけすけに悦んでみせる遊女や陰間とは違う。  昴様は、誇り高い藤原家のご子息なのだ。  その誇りゆえ、耐えて噛みしめる唇が可愛い。  それでも漏れ出る細い声が、愛おしい。

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