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第七章・12

 は、と自分の悲鳴で目が覚めた。  夢か!  頬には、まだ濡れた涙の痕がある。 (夢なら体が動かないはずだ)  やけに生々しい夢だった。  そして、その淫夢の置き土産もしっかり残されていた。 「うぅ、気持ち悪い……」  昴は、夢精してしまったのだ。 「嘘。もうヤだ」  シーツに、べったりと染み付いたものからは、かすかに青い香りすら漂ってくる。 (夢の中で犯されて、それでも感じて漏らしちゃうなんて)  のろのろと、パジャマを脱いだ。  シーツもまるめて、ぺたぺたと裸足で浴室へ向かった。  冷たい水。  水でシーツの体液を洗い流しながら、昴は思った。 「せめて、夢の中に暁斗が出てくれればよかったのに」  だのに、古川なんかに抱かれちゃった。

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