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第七章・13
僕、夢の中だけど浮気しちゃったよ、暁斗。
ごめんね、暁斗。ごめん……。
ぽろぽろと、涙がこぼれた。
情けなくて、涙がこぼれた。
悲しくて、涙がこぼれた。
ぐすぐすと鼻をすすっていると、ドアの方から物音が。
「誰だ」
まさか、正夢に!?
あの古川が、夜這いに来たんだろうか!?
(もしそうなら、彼には暇を出そう)
物騒なことを思いながら、昴はドアへ廻った。
古川は、昴が勝手に夢に見ただけなのだ。
彼には、何の罪もないというのに。
ところが深夜の訪問者は古川などではなく、意外な人物だった。
「暁斗!?」
「何です、素裸で!」
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