1 / 123

彼が言った。 「好きだ」 無骨な男と思っていた。それでつい聞き返していた。 「どこが?」 唖然とした彼の顔がおかしい。 くすっと笑ったら、むきになって答えている。 「顔……じゃなくて……と、とにかく、好きなんだ」 気持ちのいい風を感じた。頬を撫で、髪をくすぐる。 「わかったよ」 流されるのもいい。

ともだちにシェアしよう!