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暗闇の中、あの人を見上げた。 拗ねたような奇妙な顔をしていた。 ハンサムが台無し。 だけど可愛かった。 あの人のことはよくわからない。 優しくて激しくて、甘い。 熱はずっと冷めない。 だからマンションに移るのに同意した。 家計簿だけを持って。 「十円の次は家計簿か?」 情けない声で、あの人が言った。

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