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肩を掴まれた。 何事かと振り向いた。 夕暮れ時は幻想に揺れる。 学生時代の愛を浮かばせる。 真剣だった。欲望に煽られた。 儚い夢とわかっていた。 現実を選んだあいつを解放した。 その愛が目の前に立つ。 驚き、微笑んだ。 「時間、ある?」 愛おしさが蘇る。 離れたくない。放したくない。 「おまえの為なら」

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