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卒業までの期限付きの恋。 そう約束しての付き合いだった。 校庭で男も女もあいつと別れを惜しんでいる。 告白もされていた。 「そいつ、凄いとこにホクロがあるからさ」 笑いながら風に乗せて呟いた。 思い出をもらった。だから大丈夫。 あいつの笑顔に背を向けた。 涙はない。 それもあいつとした約束だった。

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