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第35話

 気も狂いそうな悦楽に、光は震えた。  とても耐えられそうにない。  背を弓なりにして、なんとか快感を逸らせようとする。  だが一真は、両腕で光の肩をベッドに縫い付けた。  身動きひとつとれなくなった光。  容赦なく快楽の律動がダイレクトに伝わってくる。  一真の汗が胸に落ちてくる。  それすら刺激になって光を襲った。 「一真、離して」  光の声には、これまでのような哀願とは違い色気がある。  そっと離すと、光は両腕を一真の背に回し、腰を使い始めた。  いやらしく蠢く光の腰に、一真はたちまち絶頂への階段を昇り始めた。 「こ、こいつッ」 「ふッ、ふふ。イかせて……あ……げるよ。あッ! ああぁッ!」  自ら追い詰められながらも、光は一真を恍惚の際へといざなった。  体内に一真の精が勢いよく注がれてくる感覚を味わいながら、光はとうとう意識を失った。

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