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第36話

 髪を梳く指の感触に、光は眼を開いた。 「ん……」  ぼんやりとしていた意識が、ようやく焦点を合わせる。  目の前には一真がいる。  穏やかな顔だ。  狂乱の行為は、ようやく終わったのだ。 『4番は、1番に何をしてもよい』  まさかこんな事をされるとは、思ってもみなかったが。 「ゲームは、おしまい?」  光は、口に出して言ってみた。  胸が痛んだ。  そう。一真にとって、これはゲーム。  愛の行為だ、などと勘違いしてはいけないのだ。 「あぁ。ゲームはおしまいだ」  笑って一真はそう答えた。

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