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【12】君には敵わない
「俺はお前と一緒なら何をしても楽しい。側にいるだけで、幸せだ」
そして、照れくさそうに笑う。
春日の笑顔と、セリフが脳内で木霊す。
あぁ、春日なんて爆弾発言。
退屈だとか、すねていた自分を馬乗りして拳で殴りたくなった。
俺が馬鹿だったと兄崎は春日の足元に縋り付いて懺悔したくなった。
側にいるだけで幸せだと春日が考えている傍ら、自分は春日は自身の事しか考えていないとか、退屈だとか思っていたのだ。
なんて身勝手で、傲慢なんだ俺は。
「春日、俺を殴れ。この薄汚い雄豚野郎と罵ってくれ。そして春日!1番だ。俺は選んだぞ。ファイナルアンサーで一番だ。」
「あ?」
2番から4番を恋人として試したいなんて思っていたが、もうそんなもの消去法で消してしまえば良い。
兄崎の頭の中は、すでに大混乱中だった。
「段階を踏んでとか、ロマンティックにとか考えたけど、今まさに二人の気持ちが昂ったところにあるんだとしたら、1番を選択してベッドインだろう。いや、もうお前なら俺は抱かれても良い。春日、好きだ。大好きだ。お試しなんかやめよう。俺とお前は結ばれる運命だったんだ。春日!!!!俺のジューシーな体を味わわせてやる。春日!!春日ああああ」
浮かれて抱きつこうとした兄崎の顔に、例の猥褻なページを押し付け口付けを阻止する。
「――幸せだから、暫くはこのままで。」
「ズルい!!」
涙目で叫んだ兄崎に春日は溶けそうな笑みを浮かべた。
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