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亜利馬、ぶるぶる・5

 残り時間は三十分。お茶も飲んだし終わったらケーキが待ってるし、絶対に頑張る。 「……ん、はぁっ……」  尻に感じる振動を気合で無視して、俺は四人の方へと駆けて行った。 「最後は五人全員参加で鬼ごっこはどうだ?」  竜介の提案に皆が賛成して、じゃんけんの結果、鬼は潤歩がやることになった。体力満タンの意地悪潤歩が鬼なんて嫌な予感しかしない。 「よっしゃ、秒で全員捕まえてやる」 「じゃあ鬼が十秒数えてる間に、俺達は逃げよう」  公園の中央で腕組みをして立った潤歩が、「いーち、にー」とカウントを始める。足の遅い俺は逃げるよりも隠れた方が良いはずだと、あまり目立たないトンネルドームの中へと身を潜めた。  ここならトンネルが入り組んでいるし、誰かが入って来たらすぐに気付いて逃げられる。 「……ん、う」  座ってじっとしていると、嫌でも尻の異物感が気になってしまう。かれこれ三十分以上ローターを仕込んだまま動き回っていて、よく耐えられていると自分で褒めてやりたいくらいだ。 「あ、……」  大雅、捕まえたぞ!  ドームの外で微かに潤歩の声が聞こえた。だいぶ遠くにいるみたいだ。  ──少しなら時間あるかな。  俺は座った尻をもぞもぞと動かし、自分で絶妙なところにあてながら小さく息を漏らした。 「んん、ぁ……」  改めて集中すると気持ち良い。徐々にパンツの前がきつくなってきて、服の上から手を置き軽く揉んでみる。子供達が遊ぶ場所で……こんなの、丸っきり変態だ。 「だ、め……。だめだよ、……」  パンツの中に手を突っ込みたいのを懸命に堪えて、体育座りのまま抱えた膝に顔を伏せる。 「ん……。あ、ん……」 「亜利馬くん」  そこへデジカメを構えたケンさんが四つん這いで現れ、俺はそちらへ顔を向けた。 「大丈夫?」 「へいきです……気持ちいいのが、ちょっと我慢できないくらいで……」 「平気じゃなさそうだね」 「潤歩さんは……?」 「今は滑り台の方に行ってるよ。誰も気付いてない」  俺の事情を知っているケンさんが困ったようなイケメンスマイルで俺に言う。 「ゴム持ってるから一回抜いちゃってもいいよ。タイム取って車の中移動してもいいし」 「だ、大丈夫です……。バレたら絶対馬鹿にされますもん」 「無理そうだったら言ってね」  トンネルを引き返して行くケンさんにお礼を言って、俺もずりずりと這いながら別ルートを進んで行った。  勃起を抑える方法は知っている。頭の中で別のことを考えれば良い。バトル漫画の激しい戦闘シーンを思い浮かべながらトンネルを進み続けると、やがて外の光が見えてきた。  と、その時。 「ああぁりぃまあぁぁ……」 「ひっ──!」  突然、紫髪の悪魔が穴の中を覗き込んできた。驚きのあまり天井に頭をぶつけてしまったが、今は……今だけは絶対に捕まる訳にいかない。 「見いぃつけた」 「こ、来ないでくださいっ!」  潤歩が身を低くしてトンネル内に入ってくる。慌てて回れ右し、俺は狭い道を全力の四つん這いで引き返して行った。 「亜利馬アアァァ……」 「いやあぁぁ! 潤歩さん怖いっ、やあぁぁっ……!」 「オラ、逃げろ逃げろ! 捕まえたら死ぬほどブチ犯してやるからなァ!」 「マ、マジで怖いですってばぁ!」

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