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 陽向の手が、唇が、自分自身の目で見たことがない体の秘部をさぐっている。  こんな体勢になるなんて聞いてなかった。  四つん這いになった俺は陽向の顔の前にお尻を向けていて、俺の目の前には陽向の熱くなった箇所がある。 「あっ……そんなに……舐めちゃ……恥ずかしい……」 「でも、ここは物欲しそうにしてるよ」 「ばっ……かじゃないの、そんなこと言って……あぁっ」  陽向のものを咥えても、下半身にビリビリと電流が走るのですぐに口を離してしまう。  シーツをぎゅっと握りしめながら、駆け抜ける快感に悶えた。  ほら頑張って、と言われて我に返り、もう一度先端に舌先をつけるも、体に衝撃を受けた俺はまた口を離してしまった。  ワセリンを塗った陽向の指が入り込んできて、そのまま中をかき混ぜられたのだ。 「あっ……ん、んっ……、……ッ」  鼻にかかった甘ったるい声を出しているのが自分なんだと思うと、ますます興奮した。  こんな自分になるなんて思ってなかった。いろんな箇所が、蜂蜜のように蕩けている。  陽向を受け入れる瞬間は多少痛みもあったけど、それ以上に繋がれたってことが嬉しくて涙が出た。  幸せだ。  人って悲しい時じゃなくて、幸せだと感じる時も涙が出るんだ。 「大稀くんのこと、ずっと大切にします」  首を縦に振って、陽向の首に腕を回してしがみ付いた。  律動を開始されて、あまりの快感に目の前がチカチカしたけど、陽向は何度も何度も柔らかくキスをしてくれた。  指を絡ませて繋いでくれた手に、ギュッと力がこもる。  大好き。陽向、大好きだ。  情事を終えてから二人でシーツに包まった。  横向きに向かい合って、ずっと話をしていた。 「久遠と仲良く話してるのを見て、もしかして他の人に目がいっちゃったのかもって焦ったんだ」 「そんなわけないじゃん」 「だって久遠、格好良くてモテるから」 「俺は陽向が一番格好良いって思ってるよ」 「本当?」 「ほんとほんと」 「繰り返して言ったから嘘でしょ」 「嘘じゃないし。それなら俺だって、陽向が友達と仲良く喋ってんの見て、ちょっと嫉妬したよ」 「……僕たちって結構、お互いのこと好きだよね」 「好きだね」  照れながら言い合う俺たちは、ぞくに言うバカップルってやつだ。  でもそれでもいい。二人きりでいる時は、これからはうんと甘えてやるんだ。 「頭、なでてほしい」 「はい」  早速お願いすると、陽向はすぐに大きな手で俺の頭をなでてくれた。  陽向の腕を手にとり、頬にすり寄せる。  ずっとずっと、この手と触れ合っていられますように……。  *Fin*

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