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第8話

 翌朝、 「おはよう、佐藤くん」  起き抜けの視界を埋め尽くしていたのは、愛しい人の満面の笑みだった。 「おはよう、ございます……?」  俺を見下ろしていた理人さんが大人の姿だということに安堵し、でもすぐに不思議な違和感を覚える。  理人さんが俺より先に起きているから?  笑顔なはずなのに目が笑ってないから?  額にたくさんの青筋が見える……ような気がするから?  確かにそのどれもものすごく気になる、けれど。 「なんじゃこりゃあ!?」  なんかやけにスース―すると思ったら、パジャマのサイズが明らかにおかしい! 「実は俺も、ちっこい佐藤くんをブチ犯してやりたいって神様にお願いしておいたんだ」 「ブ、ブチッ……?」 「昨夜はよくも好き勝手やってくれたな。おかげで俺の乳首は真っ赤っ赤でヒリヒリイテテのオンパレードだ」  ペロン、とTシャツの裾を翻し、充血したふたつの果実を露わにする理人さん。  その時に聞こえたサーッ……という音は、きっと俺の顔から血の気が引いていく音だ。 「幸いにも今日は日曜だ。ピアノのバイトもないんだよな?」 「は、はい、それは入れてないですけど理人さっ……」 「今度は俺の番だ」 「えっ、あのっ……」 「覚悟しとけよ――英瑠」  その日、俺がいったいどんな目に合ったのかは、 「ちょ、理人さん!? 待っ、あ――ッ!」  神のみぞ、知る。  fin

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