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第6話

 翌朝、あまり眠れなかったのか、直人はたるんだ瞼をしていた。 「大丈夫か、直人?」 「あんまり大丈夫じゃない」  そんな彼に、別れた彼女の話をするのは酷かとは思ったが、梓は切り出した。 「昨日の『2か月』の事だけど」  うん、と直人の眼が少し開いたので、梓は続けた。 「大体さ、僕たち10代の男女が付き合ったとすると」  デートして、手をつないで、キスして、触れ合って。 「……そして、エッチするまでに1か月~2か月だと思うんだけど」  ばッ、と梓は手でその口を塞がれた。 「朝っぱらから大声で、滅多な事を言うな!」  ひそひそ声の直人は、眼を見開いている。 「実は、その件で俺からも報告がある」  梓は驚いた。  てっきり直人は、脳を働かせる状態ではないと思っていたからだ。 「聞かせてよ」 「廊下では、ちょっと」 「じゃあ、放課後」 「それまで待てない」

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