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第5話
「それも考えにくいなぁ」
女子の中には、非の打ちどころのない可愛い子もいたのだ。
梓が、これは敵わない、と絶望するような女の子が。
「でも、やっぱり2か月で別れてる」
これは直人の報告待ちかな、と梓は考えた。
しかしあの様子では、芳しい答えを期待できそうもない。
「僕が、答えを見つけなきゃいけないな」
親友だもんね。
親友だから、蓋をしてきた想い。
「あぁ、好きだよぅ。直人ぉ」
ぼそりと唇の上から零れない小さな言葉を拾う者は、誰もいなかった。
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