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第三章・17

 やがて、ルドーニも衣服を脱いだ。  逞しい体には、いくつかの古傷が残っている。  ヴァフィラは、そのひとつを指先でなぞると、そっと口づけた。 「ヴァフィラ」  そのまま強く抱きしめ、改めてキスを交わす。  口づけあいながら、ルドーニはヴァフィラをベッドへゆっくりと沈めていった。  耳を食み、首筋に口づけ、その唇はさらに下へ下へと降りてゆく。  ヴァフィラは震えながらそれに耐えた。  体が熱い。息が苦しい。  だが、口を開けば漏れてしまう声が恥ずかしい。  きゅっと噛んでいたヴァフィラの唇に、もう一度ルドーニの唇が重なった。  軽い、羽根のようなキス。  ふっと力が抜け、口が薄く開く。 「力抜いて。口で、息してみて」  そう囁くと、ルドーニは耳を甘く噛んだ。  言われるまま力を抜き、口で呼吸する。  ルドーニの舌が、耳溝をなぞる。 「あっ」  声がまた漏れる。  慌てて口を閉じようとしたが、その咥内にルドーニの指がそっと当てられた。

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