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第三章・16

 でも、その向こうものぞいてみたい。  ルドーニに、思いきり愛されてみたい。  ヴァフィラは返事の代わりに、黙って衣服を脱ぎ始めた。  彼の、必死の思いが伝わってくる。    ルドーニは、軽い感動すら覚えた。  処女を抱いたことは何度かある。  だけど、これほど真摯な相手は初めてだ。 (これは、気合入れなきゃいけねえな)  平静を装ってはいるが、ルドーニの体も熱く昂ぶっていた。  欲しくて欲しくてたまらなかった、ヴァフィラ。  今すぐにでも激しく揉みしだきたい。  滅茶苦茶に愛し狂いたい。  だが、そんな事をすればヴァフィラは身も心も傷つくだろう。  もう二度と、誰とも愛を交わすことができなくなってしまうかもしれない。  ルドーニは耐えた。  じっと自分を押さえて、ただひたすら丁寧にヴァフィラを愛撫した。  乱暴に扱うと壊れてしまいそうなその心と体を、丹念に辛抱強くほぐしていった。  

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