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第三章・15

「あ、んんッ」  これがキス。  本当の、口づけ。  ヴァフィラは息が上がってきた。  体がどんどん火照り始める。  ようやくルドーニが唇を離し、ヴァフィラは熱い息を吐いた。  息をついたのはつかの間、ルドーニの唇は、そのまま首筋へと移っていった。 「あ、ぁ」  舌先が、唇が首を這い、時折強く吸ってくる。  鎖骨をなぞり、いつの間にかむき出しにされた白い肩を甘く噛まれ、ヴァフィラはびくりと大きく震えた。 「あ! ぃやッ!」  思わずあげた声に、ルドーニはゆっくりヴァフィラの体から唇を離し、その瞳を覗き込んだ。 「怖いか? もう、やめようか」  低く、甘い囁き。  ヴァフィラがやめたいと言えば、本当にここまでにしてくれる優しい響きがその声には含まれていた。  確かに怖い。  ルドーニが何をするかが怖い。  自分の、この熱く火照り始めた体も怖い。  このまま続ければ、この心が、体がどうなってしまうか自分でも解からない。

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