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第三章・14

 軽く何度もついばんでくるルドーニの唇は、やがて深く繋がり舌を差し入れ絡めてきた。  優しい、甘いキス。  ここまでは、これまでに経験済み。  恐れることはない。  でも、これ以上となるとどうだろう。  解からない。  未知の世界。  私に、耐えられるだろうか。  その身に毒を宿すがゆえに、人と触れ合う事に慣れていないこの心と体は、はたして正気を保てるのだろうか。  だが、小難しい事を考えていたヴァフィラの頭の中は、次第に緩やかにほぐれていった。    ルドーニの口づけ。  なんて心地悦い。  ゆっくりと時間をかけて何度も何度も繰り返され、やがてその舌はヴァフィラの咥内の敏感な部分を探り始めた。 「ん、ぅん……」  思わず漏れ出た声に、ヴァフィラは自分で驚いた。  なぜこんな声が。  嫌だ、恥ずかしい。  しかしルドーニは口づけをやめない。  その舌は喉奥まで伸ばされ、これまで触れられたことのないところを愛撫してくる。

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