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第七章・5
聞き捨てならない噂を耳にした時、ヴァフィラは疑うというよりほぼ確信に近いものを感じた。
『ルドーニが、最近ずいぶんイイ女と一緒にいるようだ』
浮気。二股。心変わり。
頭に血が上る。
しかし、問い詰めるにもまたヴァフィラのプライドは高すぎた。
ほんのひとかけら残った理性を伴い、こっそりルドーニの様子を伺った。
相手は誰だ。どんな女だ。
まずはそこを確かめよう。
必死で自分にそう言い聞かせると、気配を消してはルドーニの様子を伺った。
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