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第七章・4
「ルドーニ、午後は空いているか?」
その言葉の裏には、空いているなら共に過ごそう、こんな響きが隠されていることは彼ならお見通しのはず。
以前なら、一も二もなく空いている、と身を乗り出してくるところだ。
一緒に街へ降りてみようか、などと誘ってくるところだ。
だがしかし。
「あ~、ごめん。今日は、ちょっと……」
歯切れの悪い返事も気にかかる。
ちょっと、何なのだ。
「そうか。ではダメだな」
食い下がるには、プライドの高すぎるヴァフィラ。
ルドーニの態度も不愉快で、さっさとその場を後にする。
慌てたようにかけられる自分を呼び止める声に期待しながらも、そうならない事実に心は乱れる。
ルドーニ、一体どうしてしまったのだ?
これまで感じたことのない、心のざわめき。不安。
だが、それを認めてしまうのも癪で、ヴァフィラはそのまま日々を送っていた。
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