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第九章・13

 どのくらい、そんな日々を繰り返しただろう。  もういいかげん、彼と触れ合いたかった。  彼と共に過ごしたかった。  彼に手を伸ばしたかった。  そしてそれは、ルドーニも同じことだった。 「よ! 旦那、相変わらず不景気な顔してるねぇ♪」  軽やかなナッカの声に、木陰の芝生で昼寝をしていたルドーニは物憂げにゆっくり瞼を開いた。 「んぁ。なんだ、お前か」 「俺で悪かったな」  ヴァフィラだったら嬉しかったりして、とのナッカの声はニヤけた響きを持っている。    ヴァフィラの事を何かと気に掛けるルドーニを目にしながら、彼は何とかこの二人をくっつけたがっているのだ。

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