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第十二章・2

 そして、今度こそ。  夕食を共にした後は、ベッドに寝かしつけて帰るつもりでいたのだ。  それなのに。  ヴァフィラは寝具から腕を伸ばし、ルドーニの手を取り放してくれない。 「なぁ、ルドーニ……」  まるでおねだりでもするように、ルドーニの腕をちろりと舐めるヴァフィラ。  戸惑っていると、まるでなついた猫のようにぺろぺろと腕をしきりに舐めてくる。 「おやすみのキスだけだぞ」  身をかがめ、顔を近づけるとヴァフィラの方からむしゃぶりついてきた。  唇を食み、舌を激しく絡めてくる。  すぐに唾液の音がくちゅちゅくと鳴る。

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