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第十二章・3

「ふっふ。まるで食われちまうみてえ」 「食べてやるぞ、ルドーニ。あぁ、甘くておいしい」  ヴァフィラはそう言うと、ルドーニの頬にキスをした。  そのまま舌を伸ばし、ぺろりといたずらっぽく舐める。  頬を舐め、鼻にキスをし、顎を甘噛みする。 「まったく今日は、どうしちまったんだよ」  首にしっかり腕をまわして放そうとしないヴァフィラに降参し、ルドーニはベッドに上った。  いつもなら主導権を握るのはルドーニの方なのだが、今夜のヴァフィラはやけに積極的だった。  首筋に顔をうずめ、熱い息を吐きながら耳をしゃぶる。  そのまま逞しいルドーニの胸板にすがりつき、跡が残るくらい熱いキスをいくつもいくつも落とす。  しまいには下服からそのペニスを掴みだし、ちゅぷちゅぷと味わい始めた。  ふだんなら恥じらいがあって、なかなか施してくれない愛撫に、いとも簡単に手をつける。  本当に、今夜のヴァフィラは妙だ。

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