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第十二章・7

「ルドーニ、いつもヴァフィラと仲良くしてくれてありがとう」  ヴァフィラの師・ニコルスが微笑んで声をかけてくれる。 「なんの。またヴァフィラに、何やら良からぬことを吹き込んでいたのではあるまいな?」  ルドーニは、師匠イジェスに一睨みされて頬を膨らませた。 「真面目な話してたんだぜ? オーラのこととか」  ほう? とイジェスは口の端を上げた。 「それはいい。では今日は、たっぷりオーラを高める修練をしようか」 「げッ!」  一番苦手な修行だ。  とんだ藪蛇になった、とルドーニは肩をすくめたが、先ほどヴァフィラが言った言葉がやけに引っかかっていた。

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