287 / 459

第十二章・9

「喝!」  警策が、びしりとルドーニの肩を打った。 「ッてぇ!」 「また雑念を抱いていたな、ルドーニ。心を鎮め、宇宙を感じ、それとひとつに溶け合うのだ。自分の体内に、宇宙を感じ取るのだ」  痛てて、と殴られた肩をさすりながら、ルドーニは坐禅を組みなおした。  大人しく座り込んで、瞑想に耽る。  体を動かすことの方が得意なルドーニには、苦痛な時間だ。  しかし、ヴァフィラを感心させるためには、いたしかたない。  もう一度静かに眼を閉じ、宇宙とやらを感じようとがんばってみた。

ともだちにシェアしよう!