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第十三章・32
しかし次の瞬間には、もう笑顔に戻るヴァフィラなのだ。
「……解かったなら、もう一口」
「は~い♪ ってゴメン。無くなっちゃったぜ」
デザートに果物がある、と椅子から立ち上がったルドーニに、ヴァフィラは注文を付けてきた。
「まだ残ってるだろう? あれが食べたい」
「あれ、って?」
「……うなぎパイ」
おいおいおい、とルドーニは笑った。
「あれは『夜のお菓子』だぜ? 今は朝だろうがよ~」
「昨日だって、ティータイムに食べたじゃないか」
はいはい、とルドーニは改めて返事をした。
まったくヴァフィちゃんったらすっかり大人になっちゃってまぁ♡
(と、なると。『夜のお菓子』を深読みするようになったのかな?)
本当に本当の意味を、もう一度しっかり教えてあげなきゃな、とヴァフィラより少しだけ大人なルドーニは頬を掻いた。
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